演目紹介

  • 三杉祭り囃子

    毎年7月、群馬県藤岡市鬼石の街で江戸後期から続いている『鬼石夏祭り』。

    「三杉町」「仲町」「相生町」「上町」「本町」の5地区から勇壮な山車が引き出され、祭りの2日間は町内を練り歩き、坂道で山車を一気に引き上げる「駆け上がり」は東のだんじり、5台の山車が一堂に会してお囃子を競演する「寄合い」は関東一と言われ、お囃子は今では30種類ものバリエーションがあります。

    『三杉祭り囃子』は鬼石夏祭りで競演されるお囃子を三杉町の方々が大地流にアレンジしてくださいました。

    杉の子囃子、宵待、屋台囃子の3部構成になっています。

    締太鼓、大太鼓、笛、鐘、提灯、それぞれに違った技と音色が魅力の心躍る楽しい演目です。

  • かがり火太鼓

    長良川の鵜飼いの様子を太鼓の演奏曲にしたものです。

    川面に真っ赤なかがり火を映し、川面に揺れながら、しきりに燃えさかる炎を、打ち手は赤い房バチを回転して表現します。後半は、鵜たちが鮎を求めて勢いよく水中に潜る勇敢な姿を、テンポを早めて勇壮に打ちます。軽快なリズムと見た目の華やかさが特徴です。バチを回すバチさばきがこの曲の見せ所です。

  • 清流

    長良川を登る若鮎の姿を和太鼓の演奏曲にしたものです。落雷、川の増水から再び清流となり、若鮎が泳ぎ水面を飛び跳ねる姿を表現。

    横一列に並べた太鼓を打ち手が移動しながら叩きます。 大地では、体を反らせて叩く清流と、逆に体を丸め、太鼓の面すれすれで叩く「まごろく」の2種類を叩きます。

  • うすずみ太鼓

    福井県今立町に伝わる太鼓で1300年もの歴史があると言われています。

    太鼓を臼、バチを杵に見立て、お餅付きをしている様子を表わした曲で、飛び跳ねたり、回転したりととても楽しい太鼓です。

  • 八丈島太鼓

    八丈島では昔から人が集まると、唄や太鼓を思い思いに囃されてきました。

    「シャバタキ(本バタキ)」・「ユウキチ」など、曲によって下打ち・上打ちと、いろいろなパターンがあり、打ち手の個性を生かした曲を作ることができます。八丈島太鼓はいつ始まったのか・・。関ヶ原の合戦で破れた落ち武者が島に渡り、その思いを伝えたことから始まったという説、江戸時代の流人達が望郷の思いで打ち鳴らしたという説(一般にはこの説で広まっています)、いや、もっと、もっとその昔、島にいた島人たちが、遊びでたたき始めたという説など・・・いずれにしろ、数百年前から打たれていることは確かです。しかし、今の島の人々は自由気ままに、心のままに打つのが八丈島太鼓だといいます。八丈島太鼓の決め手は二人の呼吸。「昔、恋人を呼ぶ合図に太鼓を鳴らした。だから、百人いたら百人のリズムがある。」それが八丈島太鼓だそうです。

  • 銚子早打ち

    千葉県の銚子は、利根川の河口に開けた港町。この銚子付近潮流の関係により鰯がたくさん獲れ、漁業、醸造を中心に栄えてきました。銚子市に伝わる早打ち太鼓のリズムをアレンジしたもので、篠笛や鉦の軽快なメロディにのって打つ、海の波を表現した太鼓です。座り打ちと、腰を低く構えた立ち打ち、両方楽しめる太鼓でダイナミックな腕の振り方が魅力の演目です。

  • MASARU(正面打ち)

    打組 富田和明さんのオリジナル太鼓曲。マルセ太郎さん作・演出芝居『花咲く家の物語』の劇中、永井さん演じる知的障害を持つ青年、マサル君が叩く為に作られた曲です。大地では男性メンバーが力強く叩きます。

  • ぶち合せ

    神奈川県三浦半島三崎地方に伝わる、別名喧嘩太鼓とも呼ばれている太鼓です。元々は、三浦半島の先端にある海南神社の祭礼のときに叩かれている太鼓で、その昔漁師たちが村ごとに大漁を祈り、競い合って太鼓を叩き合っていました。

    勝った方にはその年の大漁が約束され、負けた側は太鼓の皮を破られ海に投げ入れられてしまっていたという言い伝えもあるほど、豊漁を願い村中で心ひとつにして叩かれていた太鼓です。三人の打ち手が声をかけ合い、競い合い、個性を生かしながらひとつの太鼓としての『和』を作り上げることを大切にして叩いています。

    息が合わなければ、大漁が見込めないばかりか、命さえ危ない漁師の仕事。三人が回転しながら太鼓を打ち、それを下打ちが支え、仲間への信頼と海の仕事の厳しさに裏打ちされた、躍動感溢れる太鼓です。

  • 三宅太鼓

    1820年から始まった三宅神着・牛頭天五祭で叩かれる太鼓、三宅島神着木造り太鼓(東京都無形文化財指定)をアレンジした演目。三宅島は豊かな黒潮に祝福される反面、厳しい自然にさらされる火山島です。低い姿勢から繰り出される音は、雷鳴のごとく響き渡り、天と地を結ぶ祈りとなるのです。島の人々は、シンプルなリズムの繰り返しの中に様々な思いを込めて叩きます。

    木材や重いものを引くときに歌われた歌を”木遣りうた”と言いますが、三宅島では船荷の上げ下げに歌われました。この木遣り歌が太鼓と結びついたのが三宅島木遣り打ち込み太鼓です。極めて腰を低く落とし、簡単なリズムを全力で打ち込む激しく勇壮かつ、大変体力のいる太鼓です。

  • 太鼓囃子

    串原総氏神中山神社の祭礼で奉納される無形民俗文化財「中山太鼓」を参考に、伊那の田楽座さんが初心者向けに作曲した創作曲です。これに四日市青年合唱団が笛を加えました。

    私たち親子太鼓が発足して間もない頃、川崎市平間に本拠地をおく、祭音(まつりね)の主催者である

    山本さんにご指導いただき、叩きはじめました。

    大地では子供達を中心に、掛け声をかけながら豊作をイメージし、1つの太鼓を三人で楽しく叩きます。

  • 秩父屋台囃子

    埼玉県秩父地方に伝わる伝統的なお囃子(国の無形文化財に指定)で、毎年12月に行われる日本三大曳山祭の一つ「秩父夜祭」の際に、山車の中で叩かれます。勇壮、豪快そのもののこの太鼓は、秩父夜祭りになくてはならない演目です。300年前に作られたという重さ10トンの豪華な山車(屋台)、が6基引き出されます。そして屋台ばやしは、この屋台を引く100人~150人の曳子(ひきこ)の呼吸を一つに揃え、励ます為に叩かれます。

    屋台を回転させる時に叩かれる、玉を転がしたように細かいリズムで打ち込む「玉入れ」と呼ばれる締め太鼓と、座った姿勢で腹筋・背筋を使ってこの時とばかりと満身の力をふりしぼり打ち込む長胴太鼓との対比が特徴的な曲です。左アクセントがいかに打ち込めるかがポイントとなります。

    屋台囃子は力と技の共演。大太鼓は腹筋をしながら豪快に打ち鳴らし、玉入れは目にも留まらぬ速さで音を刻む。そして両者が合わさった時の、柔と豪のコラボレーションが見ものです。

  • 夏祭り

    軽快な笛や鉦のリズムに乗り、あちこちの太鼓に飛び移りながら叩くとても楽しい曲です。子供達の楽しそうな表情や元気な掛け声が太鼓をいっそう盛り上げます。

  • 跳娘

    田打ち、田植え、稲刈りなどの動作を笛や太鼓と共に表した曲で、両手に扇を持って踊ります。不作続きだったある年、突然大豊作になり百姓達が喜び、踊りまわったのが始まりとされています。現在では宮城県桃生郡桃生町で、4年に一度の祭りの際、町をねり歩いて踊る華やかな踊りです。

  • ロックソーラン(ソーラン節)

    ソーラン節は、鰊(にしん)漁の沖揚げ作業の中で唄われてきた北海道の「沖揚げ音頭」に、櫓漕ぎ・網入れ・網起こし・たもすくい・もっこかつぎ、など漁をする様子を表現している踊りです。「板子一枚下は地獄」といわれる厳しい海の作業が待っている大海原に漕ぎ出す漁師の心意気のこもったこの曲には、大漁を願い、船頭を中心に船子たち団結と働く喜び、大漁のにぎわいが表われています。

    ロックソーランは、北海道に伝統的に伝わる民謡『ソーラン節』を民謡歌手伊藤多喜雄さんがアレンジしたものです。 北海道稚内市立稚内南中学校が《南中 ソーラン》として踊り始めました。 今から約10年前、この中学校は荒れた学校として人々にしられており、先生と生徒の間には深い溝がありました。しかし、ある教師と伊藤多喜雄さんのパワフルな“ソーラン節”との出会いによって、新たなソーラン節を先生と生徒がつくりあげ、その溝はいつしか無くなっていきました。

    1994年に第10回日本民謡民舞大賞で内閣総理大臣賞を受賞し、その後金八先生でもとりあげられ、パワフルで心に訴えるロックソーランが多くの人々に感動と共感を与え、今では海外にまで広がっています。

    歌詞は「ソーラン節」よりもテンポが速く若干の違いがありますが、「ドッコイショ」という掛け声だけは不変です。